ナーデーショーダナ・プラーナヤーマの解説

プラナヤーマの基礎は、腹式呼吸と胸式呼吸と完全呼吸ですが、
ナーディ・ショーダナはその次にすごく大切なプラナヤーマです。

ナーディとは

ナーディとは、プラーナの流れ道のことです。
プラーナと同じく、微細体のもので、イメージして作り出していくものです。

スシュムナーとは

会陰験中心の第1チャクラから、頭頂の第7チャクラを結ぶ、
身体を貫く中心脈管「スシュムナー」が、一番大切なプラーナが多く流れる重要なナーディです。
そのスシュムナーに7つのチャクラが並んでいます。
というように、 スシュムナーとは身体を貫く中心脈管のことです。

イダー、ピンガラとは

そして、次に大切なナーディが、そのスシュムナーの左右を挟むようにある、イダーとピンガラナーディです。

背骨の左側、左半身を通っているナーディがイダーナーディで、
右半身、背骨の右側を通っているナーディがピンガラナーディです。

イダーとピンガラの場所は、
いろいろな説が言われていて自由ですが、
チャクラワーク協会では、第2チャクラの領域カンダと言われる下丹田から
第6チャクラのアジュナチャクラまであるとイメージしています。

私たちの身体は左右あって、手足、目も耳も鼻の穴も脳も肺も左右にあります。

実際の粗大身である肉体の左右バランスをとっていくと、
微細体のバランスも整えていく効果があり、心がとっても落ち着いていきます。
最終的には自分の持つ両極、二元を整えていくという大きな目的があります。

ナーデーショーダナ・プラーナヤーマとは

指を使って鼻の穴を片方ずつ閉じながら片鼻で呼吸していくので、片鼻呼吸法とも言います。
左右の二元、陰陽を整えるので、太陽と月の呼吸法とも言います。

右が太陽、男性性、拡張。
左が月、女性性、収縮、と意図して片鼻ずつ腹式呼吸でおこないます。

片鼻を閉じて、しかもゆっくり。呼吸をコントロールしながら、
焦ってきたり、ほかのことを考えたりすることもありますが、
意識は今、ここに止めようと集中します。

背骨の左を通って息を吸っている。カンダ(下丹田)にプラーナが集まった、
カンダから背骨の右側を通って吐いている、というように、
しっかりとプラーナの流れ道に意識を集中させながらやっていくことで、
集中力、意思の力も強めていきます。

ナーディーショーダナプラーナヤーマの効果

鼻で呼吸することで、ストレスに強い心を作っていき、
気管支や循環器系を高めてくれます。

微細体の効果は、
左と右、女性性と男性性など、陰陽のバランスが整っていくことで、
中心の脈管、スシュムナーにエネルギーが集まり立ち上がってきてきます。

ハタヨガの目的は、この中心脈管スシュムナーにプラーナを入れたいのですから!

どちらかが強まっていたり弱まっていたりすると、スシュムナーは現れません。

左右のバランスが整い、スシュムナーが現れてくることで、
私たちは初めて瞑想に入っていくことができます。

ナーディーショーダナ・プラーナヤーマのやり方

右手の人差し指と中指は使わず、親指と薬指で両鼻をつまみます。
小指は、ピーンとせずに、薬指に軽く当てておきます。

ギューッとしたり、鼻をクイーンっとしたりせずに、
フワッと、鼻のふくらみ部分を指でフッと鼻を閉じます。

途中、疲れてきたら左の手に換えても良いですし、
左の手で右肘を支えても良いです。

今日は、クンバカ、息を止める技法は入れずの技法をお伝えします。

ずっと腹式呼吸でおこない、殆どの場合左からスタートします。
(たまに、朝に体を温めるために右からスタートして右から終わることもあります)

基本は左の鼻の穴から始まって、カンダにプラーナを集めて、右の鼻の穴から吐く。右の鼻の穴から吸ってカンダに集めて、左の鼻の穴から吐く。
これを何往復もして、最後は左の鼻の穴から吐いて終わります。

吸うのは1、吐くのは2倍の時間をかけて、1:2の割合で呼吸していきます。

まずは指を離して、両鼻から吐きます。
親指で右の鼻を閉じて、左から吸います。
背骨の左側を通って、カンダ(おなかの中の黄金色の壺)にプラーナが集まります。
薬指で左の鼻を閉じて、両鼻を閉じます。
自然な息の止まりを味わってから、
親指を離して、右から吐きます。
右から吸って脳にフッと当たって、背骨の右側を通って、カンダ、指を入れ替えて、左の鼻から出して吐き切る。

プラーナの流れを感じてください。
プラーナの流れ道を内観してください。

終わったら目を閉じて、感じましょう。

自律神経は自分でコントールすることが難しいと言われていますが、
呼吸をゆっくり、しかも片鼻ずつ腹式呼吸でやっていくことで、
血圧を下げたり、心拍をゆっくりになっていき、
少しずつ自律神経も整い、心が整って落ち着いていきます。

そのようにすると無意識の領域まで、わたしたちは少しずつ介入することができます。

そういう風に、心も自分で制御していくことが出来、
空(くう)、空っぽというものを、理屈ではなく体験として知ることができます。