助産院でのお産体験
京都山科、まこと助産院さんに着く。まだ10分間隔やたまに15分間隔になったりもするが、病院と違って、追い返されたりはしない。「ようこそ。ついに来たわね」と優しく向かい入れてくれる。その日は誰も入院していなくて、一番広い和室の部屋を使えることになった。自宅の様な落ち着く和室。ケビン用と二人の布団を並んで敷いてもらった。まだまだ余裕もあったので、お香を焚いたり、ライトをセッティングしたり、Kev to doの紙(ケビンがお産中にする事を書いた紙。例えば、わたしの呼吸が早かったらゆっくりした呼吸にリードする、わたしにオイルマッサージをする、お水をのませる等)やアクティブバースのポーズの紙、私がする呼吸法を書いた紙を貼ったり、友達にもらったお人形さんを飾ったりなど部屋のセッティングも出来た。自分の部屋になった感じ。
助産院では陣痛の波が来ると、必ずと言っていい程、毎回どなたかの助産士さんが腰などをさすってくれる。それもずっとずっと。たまに食事の用意等で居はらへんときも有るが、その時はケビンがさすってくれた。これがとても慰めになった。
お食事。まこと助産院では、お産中も堀口先生の旦那様が作る美味しい自然食のお食事を出してくれる。朝ご飯をしっかり食べて体力をつける。しかしそれ以降は食べられなくなり、ケビンが全部食べた。めちゃ美味しかったらしい。良いなー。ケビンはアクティブバースの体勢をとって手伝ってくれたり、わたしの体をさすったり、オイルマッサージを施してくれた。が必要で無いときは、横の布団でぐーぐー寝てはった。でもこれが安心した。いつでも必要なときはケビンを起こして慰めてもらった。ケビンの優しさと根気強さにはとても助けてもらった。ほんまに二人でお産したと思う。
3人の助産婦さんらは交代交代、テルミンやお灸などをしてくれ、いろんな体勢をアドバイスしてくれるし、至れり尽くせり。本当にお母さんか親戚の方が一生懸命手伝ってくれている、そんな感じ。ほんと嬉しかったな。
どんどん陣痛の波は強くなってきて、四つん這いになったり、階段を上り下りしたり、ケビンにぶら下がったり、スクワットを試したりと、アクティブバースを試みた。子宮口が6cmになり、お産も進んでいった。
昼過ぎ、まだ破水はしていなかったので、お風呂に入って陣痛を逃す。1時間程入っていたが、私は水に入ると、強い陣痛がやってきて、いい感じでお産が進んだと感じた。一人きりだし声も出しまくれて「うおおーー!ぎゃおおー!」っと叫びまくった。しかし、お風呂でお水を水筒一本分くらい飲みまくってしまった。そのお水、そんなに一杯飲んで、体は吸収出来なかったのだろう。お産中は、ガーゼに含ませたお水をちゅーちゅー吸うのが良い、と書いてあったな、と今さらながら思い出し後悔。
そして夕方頃、お産が長くかかった原因の一つだと思われる、”嘔吐、吐き気”が強い陣痛の痛みによって襲ってきた。飲み物を飲んでも、陣痛が来ても、ぐーっと吐き気が襲ってくる。そしてついにトイレに駆け込み「おえーーっ」(すいませんっ)かなりの吐き気でげえげえ。お水も驚く程全部出た。吸収されてなかったんやろうな。そしてそれからは、吐き気に教われるのが嫌で、食事は勿論、飲み物も殆ど取らなくなってしまう。これが体力を失わせ、陣痛の間隔を長くさせ、弱めたのではないかと分析している。お腹のふくらみで胃が押されていたのか、なにか原因があるのかまだ分からないが、妊娠中毎日夕方になったら胃が痛くなった。お産後は調子いいけど。念のためおっぱいが離れたら胃カメラでも飲んでみようかな?
もう一つの原因かなと思われるのは、前駆陣痛が本格的陣痛の2日前からずいぶん強くなってて、寝不足が続いていた事だと思われる。しかもその満月の日はケビンと家でだけど映画を観たり、疲れているのに散歩に出かけたりして寝不足なのに12時ごろ寝て、2時に陣痛で起きたという、2時間しか寝れなかったしんどい寝不足状態。お産前はお昼寝も一杯して、出来るだけいつも体力を残しておく事がとても大切やな、と今更ながら痛感です。みんなも気をつけてね。
あとは万里咲ちゃんがのんびりなのか、大きい赤ちゃんだから、わたしの体がゆっくりと準備しているのか、原因は何なのかお医者さんも分からない。とりあえずゆっくりゆっくりのお産だった。でもその間ずっとずっと陣痛は10分前後で来る。寝不足だから陣痛の間は一瞬寝る。そして痛みで飛び起きる、を繰り返す。めちゃしんどい。20時間くらい経った頃、夜中にわたしは弱気になってケビンに泣き言を言っていた。「もう嫌ーー。病院いってお腹切ってもらいたいくらい。陣痛しんどいーーー。無理ー!」そんな時、ケビンはキッパリと「何を言ってるんだ。大丈夫。がんばれ。ますなら大丈夫。産めるよ」って励ましてくれて目を覚ました。
そしてやはり、呼吸法が助かった。完全呼吸、腹式呼吸、ナーディーシュッディプラナヤーマなどをやりまくって、長い間の陣痛をやり過ごすことができた。意識もずっとはっきりしていたし、わたしの体力も水分も取っていなかったのに元気だったし、赤ちゃんの心拍もしっかりしていた。おかげで先生も待ってくれることが出来た。毎日の瞑想も役に立ったと思う。座るのは辛いけど、なんとか冷静に自分を見る練習。どんなときも冷静に。どんな陣痛が来ても、冷静になろうと努力出来た。勿論泣いたときも一杯あったけどね。
朝に来て、夜が来てまた朝が来て夕方が来た。その間ずっと陣痛はやってきていた。助産院に来て既に30時間。ずっと前に子宮口は9cmになっているがあと1cmがなかなか。必死の助産婦さん2人掛かりによって、いろいろな体位を試すが、それでも無理。ついに夕方になって、先生が、「かなり時間も経った。嘔吐からか体力が消耗してるしか、お産の進行が止まってる。まだお母さんも赤ちゃんも元気だけど、今の時間ならバプテストには先生方が沢山いらっしゃるし、もうすぐ夜になるし、移動するなら今やと思う。どうする?」って言われた。わたしは断固として「ここで産みたい!」と思ったが、確かに体力は消耗してるし、今後お水も飲めるとは思えない。栄養のブドウ糖の点滴をした方が良いだろうと分かっていた。そしてしぶしぶ移動する事に決める。そしてわたしが決めてから、先生は病院に電話をして、相談をし、移動する事を決めた。陣痛中の車での移動は怖かったが、先生も同伴してくれたし、道もすいていたし、なんてことは無かった。
病院でのお産体験に続く。。