2019年12月、堀田義樹とMasumi Lacosteは『Kirtan & Chakra Workリトリート in オーストラリア』を行ないました。美しきアボリジニの聖地、圧倒的大自然の中で巻き起こった、特別な体験を振り返る二人の対談です。収録は2020年1月8日。神奈川とバリ、それぞれの自宅から、リラックスした会話そのままをお楽しみ下さい。
M= Masumi Y= 義樹
リトリートという旅を分かち合う
M : 今回のオーストラリアはまたまたすごかったね!
Y : 行く前と後では確実に変化していて、もうそれ以前には戻れない。そんな体験を一緒に出来ることがリトリートの醍醐味で、「旅行」との大きな違いはここだと思う。
M : みんなも思いっきり開いて、変化、変容、成長を加速させる素晴らしい場だった。日常に帰ってきてから、明らかな変化が生じているのが分かるよ。海外リトリートを開催するには楽なことばかりではないけど、突破した後は、やっぱり実現できてよかったと感じるんだよね。 日本では、閉塞感や、未来への不安を感じている人が少なくないように思う。それを突破するためのひとつとして、私たちが実践しているワークや、リトリートがあると信じてる。
Y : そうだね。日本人の良いところには、繊細さ、礼儀正しさ、細やかさなどが上げられると思うけど、そういった特徴は逆の方向に作用することもある。でも、ずっと同じ環境で、同じものばかりを見続けていると、そうした幅があることも忘れてしまったりするよね。 僕の場合は、旅の経験が様々なきっかけを与えてくれたと思うんだ。日本の美しさだったり、世界の多様性だったり、視点を変えることで大きな気づきがあった。
M : 私は、義樹さんの日本人らしい繊細さ、礼儀さも好きですよー(笑)。 それでいて大胆なところも持ち合わせていて、逞しくて、一緒に仕事してても安心しますね。
Y : まっすん(Masumi)とは、いろんな突破の喜びを素直に分かち合うことが出来て、本当にありがたいよ。 あらかじめ答えが決められたような「お勉強」ではない、生き生きとした学びの体験を共有させてもらってる。実際に会えるのは年に数回だけど、コラボレーションのたびに、それが大きくなっていることを感じるよ。 真剣な時間もあり、そして笑いもあり。オーストラリアでも、腹が裂けるほど一緒に大爆笑したね(笑)。
M : 全体の繋がり、全体性の愛を築くには、リトリートはやっぱり良いね。
Y : リトリートってのは、社会というか、人間関係の縮図をがっちり体験できるんだよね。 そして人を通して、自分に気づくことも促してくれる。全ての存在の中を流れる同じものがあって、それは切り離せなくて、本当はみんな美しいつながりを生きてる。だけど、心の余裕をなくしてしまうと、当たり前なはずのこともいつの間にか忘れてしまう。そういった真理を思い出したり、経験として深めたり、学び合ったりできるのが、僕たちがリトリートで共有したい大切なことだよね。
景色はいつでも心に何かを与えている
Y : さあ、オーストラリアでバイバイした後、それぞれの場所に帰ってきました。今はどんな状態?
M : オーストラリアリトリートで乗り切ったことが、強さになっていると感じてるよ。主催側からしたら、少しタフで、色々ありましたものね(笑)。でも、ひとつずつ突破したことで、それが自身に繋がったな。今の粘り強さとか、グラウンディング力とかに繋がってるいると感じる。 そのおかげか、この年始に明確なビジョンが見えて、これからの計画が出来たの。だから、すごくスッキリしている。チャクラでいうと第1,2,3チャクラが強い感じだよ。
Y : 僕は、いい流れのまま帰国して、その波に乗るように年末年始を楽しめたよ。年が変わることで、気分も自然と切り替わりながらね。年明けは割とのんびりできていたから、新しい一年にワクワクしながらも、穏やかで落ち着いている感じ。今は、オーストラリアで受け取った”大きさ”について、静かに味わったり考えたりしてるよ。
M : 義樹さん、運転中もオーストラリアの大きさにずっと感動していたもんね。
Y : 高い建物がない空の広さ、物質的な理由だけではない土地の大きさ。滞在中、ずっと包まれているようで、その感覚と共にいる自分が大好きだったよ。言葉にするのは簡単ではないけど、何か大きなものと繋がって、護られていたんだよね。 そういえば、まっすんとのリトリートはいつも、その土地の力を深く感じる。チャクラワークの為せる技じゃないかな。開いていたところから、さらに開いた、そんな感じ。
M : リトリートの始まりもドラマチックだったよね。 オーストラリアの山火事問題が今、ちょっとずつ日本でも取り上げられてきたけど、実は私たちが最初に予定していたエリアも被害に遭って、会場が全焼して…。 そこから計画を変更することになったんだけど、中止しようとか、不安だとか、お互いにそんな言葉が何ひとつ出てこなかった。振り返ると不思議だよね。
Y : そうそう。何があっても全てうまく行くっていう、直感的な信頼ね。そこから始まったリトリートだったんだよね。栗ちゃん(現地スタッフ)の想いも、集まってくれたみんなの想いも、同じように強かったね。きっと、全員の信頼が、あの流れを生み出したんだね。
M : 私たちは少し前に現地入りして、人と土地とチューニングできる時間があった。それからみんなを迎えられたことも良かったね。
Y : とにかく、会う人会う人がみんな気持ちよかった。衝撃的なくらい(笑)。 あれだけ豊かな自然の中で生活していると、心も豊かになっていくんだろうなと思ったよ。僕は北海道で生まれ育って、今も都市部を離れて暮らしているから、朝起きて最初に見る景色がいかに心に作用するか、あらためて感じてる。
M : みんな気さくで豪快でね、人が気づかせてくれるね。現地に住む日本人の友達も、それぞれがタフに生きていて、そんなみんなとの出会いから今回の旅は始まって、本当にありがたかったね。
自分軸で生きる、ということ
Y : そう、そして変更になった会場が素晴らしかった。テラスを出たら大きな山があって、広い牧場があって、その中になぜかイニシエーションサークルがあって(笑)。
M : 毎朝、雄大な自然をみながら、瞑想して、チャクラワーク、呼吸と声のワークをしたよね。キッチン担当のようこちゃんが作ってくれるご飯も全部美味しくって、最高だったな。食事が美味しいって本当に幸せ。オーストラリアで日本食が食べれたのも嬉しかった。 最高の瞬間が一杯あったねー。今回はシェアの時間を沢山取ったんだよね。
Y : 心と体と空間への作用を瞑想的に感じることが、僕たちのワークに共通するポイントだね。あのロケーションで、みんなの心がそこに集中して、浮わついていなくて、どの瞬間もどっしり落ち着いていた。 呼吸を細かくスキャンしていくところから始めたけど、みんなが信頼して委ねてくれるから、僕も安心して深いワークに入ることができたんだ。
M : 私も自分の身体や場を感じるのが好きなんだけど、今回は土地のパワーのおかげなのか、本当に深いところまで感じられたな。
Y : 僕が旅で大切にしているのは、訪れた最初に、土地と、空間と、共に呼吸させていただくことなんだ。それはご挨拶とも言えるし、自分から調和に向かうということでもある。人にも個性があるように、場所場所にも固有のエネルギーが生きているから。 拠点にしていた会場周辺が、本当に素晴らしかったんだよね。きっと、みんな同じように感じていたことが、お互いの制限を外して行ったと思うし、誰もが想像していた以上の拡大を生み出したんだと思う。お互いのおかげ、土地のおかげ、僕とまっすんの揺るがない信頼、その全てのエネルギーが、気持ちよく回っていたね。
M : 渦のように溶け合っていたし、毎日のワークも、朝からじっくり丁寧に深めていったね。美しい涙もいっぱい出たよね。シェアの時間、みんなの純粋な言葉や、思いやりに溢れた話し方にも感動したよ!
Y : 今、思い出したのはFさん。彼女は自分の生活の中で、妻であり、親であり、オーナーでもある。僕とまっすんも以前から繋がっているんだけど、いつも周りの幸せのため、喜びを提供してくれる愛の人じゃない? そんな彼女が、「人に尽くす」という想いと行為のさらに奥深くにある本来の自分にフォーカスして「自分軸で生きる」と言葉にした時の力強さ! 本当に感動したし、その突き抜け感が無条件に気持ちよかった。あれほど周囲への愛を体現している彼女の「自分軸」は、わがままでも、エゴでもないんだよね。真の自分を愛することが、結局、周りの全てにとっても優しさを表して行く。実践する人だからこそ、あんなに響くんだ。
M : 自分軸だと迷いがなくなる。他人軸だと迷ってばかりになるになるものね。根っこにあるのは、自分はどう感じているのか。身体はどんな感覚があるのか。心が静かな状態じゃないと感じられなくて、迷ってしまうものね。
Y : 僕たちのワークは、小手先の技術を上げようとするものではなく、もっと大きく、深く感じ抜く力を育てることも共通点だね。感じ方は教わることができなくて、でもだからこそ、勇気を持って体験することが答えに繋がって、その時間を離れても、それぞれの日々の中で活かせるんだよ。
自由、そして拡大へ
M : 今回、森の瞑想から戻ったら、車上荒らしに遭うという出来事も起こって…(車の窓は粉々に割られたが、幸い何も盗まれかなかった)。私はちょっとしゅんとしちゃったんだけど、義樹さんはしっかりしていてくれて助かったわ。
Y : 日々の修行の賜物かな?(笑) まあ、人生は思いがけないことばかりだよ。思い通りにいくのが幸せじゃなくて、何が起こっても幸せを感じていたいよね。実際、車上荒らしからも大いに学ばせてもらったよ。
M : アボリジニが暮らしていた洞窟、ツインフォールとかもめっちゃ良かったね!
Y : 歩いているだけでも、ずっと不思議な落ち着きがあって、すごく懐かしい感じで。こういう感覚が込み上げてくるのは、いつでも起こることじゃないから、やっぱりご縁があるんだろうね。
M : 義樹さんってあんなワイルドになるんやーって思ったよ(笑)。状況、環境が、新しい気づきを与えてくれるね。 そうそう、今回は「自由」というキーワードが降りてきてたね。さっき話したイニシエーションサークル。リトリート会場の山の間に、なぜか木で囲まれた円形のスペースがあって、さらに中心に大きなファイアのような木と植物のオブジェ! そこでダンスのワークをしようって、二人でジャンベ(太鼓)を持って行って、まずは祈りを捧げてね。そうしたら一気にトランスしてしまって、義樹さんに太鼓の神が降りてきたとしか思えなかった。ジェンベめっちゃ上手かったし!!びっくり!
Y : あの日は…、記憶にないくらいぶっ飛んだね。それからみんなを呼んで、輪になって踊ったんだ。いつの間にか、自分の思いを叫びながら、過去にしがみつくのか、自由を選択するのか、今ここで決めろ! というワークが始まって(笑)。 でも、ひとりひとりが、自分や、自然や、地球や、運命と正直に向かい合って、語り合う、もの凄く深い時間になったんだ。場をホールドしながらも、あれは自分じゃなかったと今でも思うよ。
M : 踊ることと、自由に声を出すこと。みんなが解き放たれていったミラクル、トワイライトタイムだったね。目の前にものすごい山、誰も止める人もいなくて、周りにいるのは、牛、馬、ラマ(笑)。普段は踊れないの〜って人も、めっちゃ踊ってくれてて嬉しかった!
Y : これも僕とまっすんに共通しているところなんだけど、踊ることが大好きなんだよね。実は二人ともDJの経験があって、以前は野外のパーティーで解放しまくっていた。それこそ、自由に踊ることは原始的な衝動で、思考を超えた力を呼び覚ましてくれるもの。あのサークルで感じていたのは、はるか昔も同じように、音とダンスが人間とスピリットとを繋げていたんだろうなってことだったよ。本当に美しい儀式のような瞬間だったし、祝福そのものだった。みんなの表情、声、体が、はっきりとそれを教えてくれたよね。
M : 私たちも完全にトランスしてたからこそのワークやったね。繋がっていた、明け渡していた。
Y : そして、最終日の「拡大」という象徴的な言葉になったんだね。 それを、あらためて言葉にしてくれたのはKさんで、「私たちはどこにも行かなくていい。ただ、広がって行くだけ」って。涙を流しながらね。僕は感動で震えしまったよ。 あの瞬間のことは今でもはっきり覚えてるんだ。みんなの心にあった想いを、Kさんが代表して、みんなの前に差し出してくれた。リトリートでは、こういうことが起こるんだ。忙しい日常の中では、あそこまで深い部分にタッチすることは出来なかったかもしれない。あの環境で、時間をかけて、みんなの信頼が安心を運んで、眠っていた感覚を目醒めさせてくれたように思うよ。
M : 自由とは、どこかに行くのではなく、何かを切るとかではなく、拡大していくこと。
Y : 自分の意識が作った壁なら、自分で外していくこともできる。私はこういう人だから、こういう役割だから、というのも、視野を広げて見つめ直してみればいい。そんな気づきが随所に散りばめられていたよね。
M : どんな環境の中でも、仲間との整った開かれた場があると、私たちは自由で拡大していく存在だと思い出せるんだね。
Y : 物理学では、宇宙が膨張を続けているという観測結果があるよね。僕たちもその中に生かされている訳で、だから、拡大していくことこそ自然だと考えるほうが、僕にはしっくり来る。それは個人としての体験ではあり得なくて、多くの存在を通して気づき合えることなんだよね。
M : 他の存在がいてくれるから、様々な姿や声を通して体験できる。リトリートっていうのは格好の場だね。最終的に人や場所を通して、自分自身を深く知ることができるんだね。
そして旅はバリへと続く
Y : 振り返ると、映画みたいな印象的なシーンが次々に浮かんでくるよ。大きな喜びもあれば、人によっては痛みが現れてきたりもする。でも、その全てが、必要な時、必要に応じて起こることなんだ。 今回は時間割をゆるく設定して、ひとりで歩いたり、立ち止まったり、じっくりと「今」を感じる自由時間を作ったんだよね。
M : 味わう時間って大切だね。ひとりだけで過ごすの時間の中で、本当の気持ちがわかったりするもの。栗ちゃんが組んでくれたスケジュールも本当に良かったね。栗ちゃんのおかげさまで叶ったリトリートだったね。
Y : そして、次に僕たち二人でガイドするリトリートは、まっすんのホームであるバリ島! バリは、今や僕にとっても特別な場所になっているよ。また今年も行けることが、本当に嬉しいな。 正直な話、気づきに動かされて進む人生には、常に自分の選択と向き合う面白さと、反面、怖れや孤独を感じてしまう時もあるんだ。でも、信頼で結ばれているまっすんのような仲間がいてくれて、それが本当に力になるってことをひしひしと感じてるよ。
M : 友達って安心するね。ありがとう! そう、5月12日から17日、バリ島シドメン村でのリトリートだね。去年も義樹さんとみなさんに来てもらって、最高のおもてなしとエネルギーの循環を、きっと深く感じてもらえたはず。シドメンのジャングルで、完全に開かれ、リラックスしたバイブレーションの中でのキールタンは、本当に美しく響いて最高だった! 圧倒的な大自然に抱かれて、地元の元気な食材を使ったフードで心身を整えて、バリ伝統の祈りのセレモニーもみんなで体験するからね。とってもディープに、ライフエクスペリエンス出来るね。 あなたの人生の経験値と感覚力を上げに、“神々の棲む島”バリへ来てくれることを楽しみに待っています!